■ INTRODUCTION ■

別れた恋人を忘れられない男。
別れた恋人が憎くてたまらない女。
男は夜ごと、夢の中でかつての恋人と再会する。
男の夢に呼応するように、女はかつての恋人と現実のときをすごす。
そして、男と女は出会った。
襲いくる夢の数々に、必死であらがうふたり。
彼らは悲しい運命を変えるため、静かに、激しい恋に落ちていく。
それがたとえ叶わぬ恋であっても──。

キム・ギドク×オダギリ ジョー 日韓の才能が集結!
『悲夢』は、日韓の優れた才能が結集した、奇跡のコラボレーション作品だ。主演は、日本を代表する俳優として韓国でもダントツの人気を誇るオダギリ ジョー。監督は、『サマリア』がベルリン映画祭銀熊賞受賞、『うつせみ』がヴェネチア映画祭銀獅子賞受賞、“世界がもっとも注目する監督"として熱狂的な信者を擁する鬼才キム・ギドク。本作が海外の監督との初顔合わせとなるオダギリは、苦しい愛に引き裂かれ夢と現実の間を移ろう男・ジンを、いままで見せたことのない多彩な表情で見事に演じきり、キム・ギドク監督の全幅の信頼を手にした。また、共演は『私たちの幸せな時間』『英語完全征服』などでその美しい横顔を見せてきた実力派イ・ナヨン。男の夢に呼応して破滅へと突き進む夢遊病の女・ランに扮し、オダギリとぴったり息の合った凛々しい演技を見せる。
伝統的な韓国家屋や寺院などで撮影された美しい映像は、幻想的で神秘的な風景を観る人の前に展開する。時間や場所が曖昧に溶け合う中で、息をのむほど激しく愛を交わす男と女。愛によって人生を変え、愛によってすべてを失う、この男女の悲恋劇は、オダギリ ジョーが初めて挑んだ本格的な愛の物語であり、同時にタブーやモラルの限界に挑戦し禁断の愛を描きつづけてきたキム・ギドクの到達点である。


監督が見た夢と"胡蝶の夢"
愛こそが人生だ──。強い信念にもとづき、これまでの作品で美しくも残酷な愛の“真実"を描いてきたキム・ギドク監督が、オダギリ ジョーという最高の触媒を得て生み出した新たな愛の物語。その悲劇は、苦く痛々しいものであるがゆえに鮮烈で官能的だ。 物語は、キム・ギドクが実際に見た夢から生まれている。自動車事故に遭遇する夢。夢にも関わらず、実際に自分が事故を起こしたという思いが強く心に残りつづけた。その違和感が、その後「胡蝶の夢」の故事成語(蝶となり花上に遊ぶ夢を見た荘子が、夢から覚めた後も夢か現かはっきりとしなかったこと)と結びつき、この独創的な物語を誕生させた。夢と現実の境界とは? 生と死の境界とは? 多くの問いを提示するこの作品で、キム・ギドクは「愛はあらゆる境界を超える」という究極の答えを導きだした。ふたりの主人公たちに訪れる衝撃の結末は、夢と現実が融合する美しい瞬間を象徴的にスクリーンに映し出す。


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