Story

狂おしいほど切ない、愛しい人に出会う夢

深夜、ジンは別れた恋人を追って、車を走らせていた。ところが、路地から別の車が急発進してきて、ジンはその車に追突してしまう。重傷を負ったその運転手を横目に、恋人を見失わないよう再び車を走らせるジン。しかし、今度は酒に酔った男が路上に飛び出してきて、ジンは慌ててハンドルを切る。そこで──彼はようやく夢から覚めるのだった。

現実に戻っても、鮮明すぎる夢にどこか落ち着かないジン。サイレンの音を追って車を走らせた彼は、夢に見た通りの事故が実際に起きていたことをその目で確認する。監視カメラの画像から警察に身柄を拘束されたのはラン。夢遊病の彼女は、ジンの夢に呼応するように、現実に行動を起こしていたのだ。

彼女が夢遊病の中で会っていたのは、かつて彼女が捨てた男。ジンがいまだに別れた恋人を忘れられないのと正反対に、ランはかつての恋人を心から嫌悪していた。夢ながらも別れた恋人と会い幸せなジンと、憎い男と不幸な時間を過ごすラン。そんな彼らに、ふたりが愛し合えば夢は消え、夢遊病も治るだろうと、精神科医は告げる。「さもなければ、ふたりは不幸に見舞われるかもしれないわ。忘れないでふたりはひとりなのです」

眠らないよう、互いに見張りあうふたり。しかし、睡魔は彼らを執拗に襲い、夢は次第にエスカレートしていく。別れた恋人の身体を求めるジンの夢に反応して、憎くてたまらないかつての恋人に抱かれるラン。どうしてそんな夢を見るのか? とランはジンを激しく責めるが、彼の恋人に対する切実な想いを知り、ふたりはやがて愛情で結ばれていく。だが、そんな睦まじい日々は長く続かなかった……。